『サキソフォン・コロッサス』その4
■5月はK2HD CDで発売中のソニー・ロリンズのアルバムを紹介します。
これまで3回にわたってソニー・ロリンズの 『サキソフォン・コロッサス』 を聴いてきたが、最終回の今回は、ベーシストのダグラス・ワトキンスをご紹介。
このアルバムではワトキンスは最年少の22歳。生地のデトロイトで活動の後、54年(20歳)にニューヨークに進出し、オリジナルの「ジャズ・メッセンジャーズ」に参加している。『サキ・コロ』の前には、ジャッキー・マクリーン、ケニー・バレル、リー・モーガン、ハンク・モブレーなど多くのアルバムに参加している。
若いとはいえキャリアは十分、ロリンズのサポートには申し分ない。またアート・ブレイキー(ドラムス)のグループにいただけにマックス・ローチ(ドラムス)の相方としてもまったく遜色はない。参加アルバムは56年に30枚、その年の12月には初リーダー作も録音している。翌57年には40枚ほどもあり、『サキ・コロ』が録音された56年6月はそうしたまさに上り調子まっただ中の時期だった。その後ロリンズとは58年の『ニュークス・タイム』で共演している。だが、ワトキンスの活躍は62年で終ってしまう。交通事故での突然の死去だった。
写真:『サキソフォン・コロッサス/ソニー・ロリンズ』(ビクターエンタテインメント