*今月はソニー・クラークのアルバムを紹介します。
ジャズでは同名のアルバムがあることはめずらしくない。他人でたまたま同じタイトルというのではなく、同じ人のアルバムでも同様だ。『ソニー・クラーク・トリオ』は2枚ある。前項で紹介したのはブルーノート・レーベルからのもので、こちらはタイムというレーベルだ。前作の『トリオ』から2年半ほど経っての録音だが、なにも同じタイトルにしなくても、とは思うが。
こちらは前作とうってかわって全曲オリジナル。で、気がついた。後付けの理由かもしれないが、これでトリオ「スタンダード編」と「オリジナル編」のセットができる。というわけでソニー・クラーク・トリオはどちらがいいというのではなく、両方揃えるというのが正しい聴き方だ。
バド・パウエルの流れを汲むビ・バップ・スタイル、溢れ出るアドリブ・フレーズ、トミー・フラナガンにも似たでしゃばり過ぎない趣味のよさ、などなどクラークの特徴がたっぷり詰まった名盤。「マイナー・ミーティング」★「ニカ」などオリジナル曲もすばらしい。
★名曲の項もご覧ください。
『ソニー・クラーク・トリオ』1963年3月23日録音(エムアンドアイカンパニー)
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