「ストロード・ロード」
原題:Strode Rode
作曲:Sonny Rollins
■5月はK2HD CDで発売中のソニー・ロリンズのアルバム収録曲を紹介します。
ソニー・ロリンズの 『サキソフォン・コロッサス』 のオリジナルLPではA面のシメに収録されている「ストロード・ロード」。シカゴのジャズ・クラブ「ストロード・ラウンジ」にちなんで付けられた曲名という。前曲のバラードから一転してアップ・テンポで始まる展開が印象に残る名曲・名演だ。ロリンズの曲の中ではかなり知られている1曲だが、カヴァーは少ない。
だが、めずらしいロリンズ本人の再演がある。『サキ・コロ』の24年後、80年録音の『ラヴ・アット・ファースト・サイト』に収録されている。このバックはジョージ・デュークの「エレクトリック」ピアノ、スタンリー・クラークの「エレクトリック」ベース、アル・フォスターのドラムスである。4ビートで演奏されるが、ファンクをやってもおかしくなメンバーとの顔合わせがまずめずらしい。ロリンズはオリジナル演奏に負けないほどブリブリ吹いているが、ゴリゴリ感が少なくスムースに聞こえるのは時代のせいか。
ちなみにこのアルバムでロリンズはリリコン(シンセサイザー・サックスのようなもの)も吹いている。アルバムそのものがめずらしい1枚なのだ。
写真:『ラヴ・アット・ファースト・サイト/ソニー・ロリンズ』(ビクターエンタテインメント)