「ドナ・リー」
原題:Donna Lee
作曲:Charlie Parker
■6月はK2HD CDで発売中の渡辺貞夫のアルバム収録曲を紹介します。
『バード・オブ・パラダイス/渡辺貞夫 ウィズ・ザ・グレイト・ジャズ・トリオ』 のハイライトは「ドナ・リー」。複雑にアップダウンするテーマ、めまぐるしいコード・チェンジを超アップ・テンポで疾走するすばらしい演奏だ。
この曲は47年にチャーリー・パーカーが録音したものがオリジナルで、ディキシー・ランド・ジャズの「インディアナ」という曲のコード進行を借用している。パーカーの代表曲であるだけでなく、「ビ・バップ」スタイルの典型的な1曲でもあり、多くのアルト・サックス奏者が録音している。
76年にジャコ・パストリアスがフレットレス・エレクトリック・ベースでこの曲を録音。当時は単に奇を衒った演奏のようにも見えたが、その視点と革新的な奏法はその後のベーシストに大きな影響を与え、今では「ベースの必修曲」ともいえるほどベーシストにひんぱんにとり上げられるようになった。
写真:『ジャコ・パストリアスの肖像/ジャコ・パストリアス』(エピックレコード)