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Victor Jazz Cafe - ビクタージャズカフェ

Jazzアルバムの楽しみ方 〜名盤の聴きどころ

2006-06-04

「デザート・ライド」

原題:Desert Ride
 作曲:Gary McFarland

■6月はK2HD CDで発売中の渡辺貞夫のアルバム収録曲を紹介します。

今回はいつも紹介するようなジャズ・スタンダードではないが、アルバムの項で紹介している 『カリフォルニア・シャワー/渡辺貞夫』 に収録されている名曲を。

『カリフォルニア・シャワー』は2曲を除いて渡辺貞夫の作曲によるもの。1曲はアルバム・アレンジャーのデイヴ・グルーシンによるもの。そしてもう1曲はゲイリー・マクファーランドの「デザート・ライド」。マイナー・キイのメロディが美しい。当時のアルバムのライナーノーツによれば60年代半ば、バークリー音大に留学中の渡辺貞夫は、マクファーランドと共演してから音楽観が大きく変わったという。当時の自分の音楽(熱いモダン・ジャズ)と方向が異なっているにもかかわらず、である。

マクファーランドはジョン・コルトレーンの熱い時代に涼しげなイージー・リスニングをやっていたアレンジャーだ。ジャズの世界からは一歩距離を置いて見られていた存在と思うが、渡辺貞夫はその人間性に大いに共感したという。渡辺貞夫のクロスオーヴァー路線にはマクファーランドの影響が色濃く出ているのである。60年代からここまでに渡辺貞夫はマクファーランドの曲を5曲も録音してきていることからも、その影響の大きさはうかがえる。

この「デザート・ライド」はデイヴ・グルーシンではなく渡辺貞夫自身がアレンジしている。オリジナルを探してみたが、マクファーランドの録音作品にはこの曲は見つからない。ライヴで共演でもした作品なのだろうか。蛇足だが、ここでフィーチャーされるリー・リトナー(ギター)のソロはすばらしい。リトナー・ファンの方もぜひチェックを。

写真:『カリフォルニア・シャワー/渡辺貞夫』(ビクターエンタテインメント)


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