原題:Someday My Price Will Come
作曲:フランク・チャーチル
■今月はK2HD CDで発売中のビル・エヴァンスのアルバムの収録曲を紹介します。
『ポートレイト・イン・ジャズ』収録9曲中、7曲はいわゆるスタンダード・ナンバーだ。だが、それは現在の見方。録音された1959年には「いつか王子様が」はまだスタンダードとは言えなかったようだ。
この曲の出典はディズニーの長編アニメ『白雪姫』である。映画の初公開は1937年。録音当時でもずいぶん前の曲ということになるが、エヴァンスより前にこの曲をジャズで録音したものを調べてみると、1955年に『ザ・ジョン・ウィリアムス・トリオ』が演奏しているものと、1957年のデイヴ・ブルーベック『デイヴ・ディグス・ディズニー』があるぐらいだ。
エヴァンス後には、この曲の名演の定番となるマイルス・デイヴィスの『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』が1961年に録音される。そしてその後はたいへんたくさんのミュージシャンにとり上げられ、完全にスタンダード化する。この曲はマイルスが有名にしたと言えるが、ではマイルスはどこからアイディアを得たか。マイルスのグループにエヴァンスが在籍したのは短い期間だったが、マイルスは多く影響を受けたと言われる。ネタ探しも影響を受けていた?
写真:『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』(ソニーレコード)
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