「イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ」
原題:In Your Own Sweet Way
作曲:デイヴ・ブルーベック
■今月はK2HD CDで発売中のビル・エヴァンスのアルバムの収録曲を紹介します。
『ハウ・マイ・ハート・シングス』のCDには「+1」ボーナス・トラックとして「イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ」が2ヴァージョン収録されている。アレンジに大きな違いはないが、ノリが違う。テイク2の方が明らかに勢いがある。どちらを取るかでエヴァンスは悩み、結局テイク1にしたという。ではどうしてCDには両方入っている? きっとプロデューサーはエヴァンスの意に反してテイク2の方が気に入っていたからに違いない。他の曲でもあったであろうボツテイクは残されていないのだから。特に『ムーンビームス』との差別化にはこちらの方がいいと思うのだが、あなたはどちらを選びますか。
余談が先になったが、この美しい曲はエヴァンスの同業者(ピアニスト)デイヴ・ブルーベックの手によるもの。マイルス・デイヴィス(トランペット)の名演もとりわけ有名。だが本人の演奏は残念ながらあまり有名ではない。作曲家と演奏家は別ということか。
写真:『ワーキン/マイルス・デイヴィス』(ビクターエンタテインメント)