原題:Les Feuilles mortes/Autumn Leaves
作曲:ジョセフ・コズマ
■今月はK2HD CDで発売中のビル・エヴァンスのアルバムの収録曲を紹介します。
『ポートレイト・イン・ジャズ』の代表曲は「枯葉」だ。
ジャズと言えば「枯葉」と言われるぐらい(?)この曲はジャズ・スタンダードとして愛されているが、「枯葉といえばジャズ」というわけではない。オリジナルはフランスのシャンソン。1945年に映画でイヴ・モンタンが歌ってヒットし、後にアメリカに渡って英語歌詞がついた。
ジャズでは膨大な数の演奏が発表されているが、なんといってもマイルス・デイヴィスのミュート・トランペットがフィーチャーされた『サムシン・エルス/キャノンボール・アダレイ』が「ジャズの常識」と言えるほどにダントツで有名だ。
それはさておき、この演奏はご存知だろうか。
ヴォーカリストが歌う「枯葉」だというのに、テーマのメロディも出てこないし歌詞も出てこない。アップテンポで「シュビダバダバ」とスキャットで歌いまくっている。果たしてこれは「枯葉」なのか。これはサラ・ヴォーンの『Crazy and Mixed Up』というアルバム。
サラ・ヴォーンの「楽器としてのヴォーカル」をたっぷりと楽しめるすばらしい演奏だ。なお日本盤タイトルは『枯葉』となっている。歌が入っていると思って聴くと「枯葉」入ってないよ? となるかも。
写真:『枯葉/サラ・ヴォーン』(ビクターエンタテインメント)
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