1944年にピアノの鬼才セロニアス・モンクが作曲し、作曲家モンクの代表作として挙げられる名曲。当初は「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」というタイトルでしたが、歌詞が付けられた折りに「ラウンド・ミッドナイト」と改題されています。まさにタイトルどおり“真夜中”の雰囲気を醸し出すメロディ。著名ジャズマンなら誰でも一度は録音しているといってもいいぐらいのスタンダードとなっています。
モンク自身もこの曲は特に気に入っていたようで、さまざまな編成でたくさんの録音を残しています。中でもたいへん興味深いのは、ピアノ・ソロ・アルバム『セロニアス・ヒムセルフ』に収録されている「イン・プログレス」とサブタイトルのついたトラック。これは曲が完成するまでの“やり直し”が20分にわたって収録されているものなのですが、思いつくままにアレンジを試すモンクの演奏の断片から、この曲の持つさまざまな表情が聴こえてきます。
『セロニアス・ヒムセルフ/セロニアス・モンク』
(ビクターエンタテインメント)1957年録音
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