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Victor Jazz Cafe - ビクタージャズカフェ

マスターのお話

SX-WD5KT組み立てレポート

前編「箱を開ける〜組み立て午前の部」
前編後編

先日、東京新橋にあるビクターのショールームで実施された、ウッドコーンスピーカーハンドメイドキット「SX-WD5KT組み立て教室」に行ってきました。とある休日の教室は10名ほどが参加。若い人からベテランのオーディオマニアとおぼしき人までさまざまで、子供連れも1組いる。みんな楽しそうだ。マスターもそうです。このウキウキ感、わかるかなぁ。教室は1日で組み立てから音出しまで、万全のサポート体制で体験できるというもの。工具も用意してもらえたし、何よりウッドコーン開発スタッフ直々による製作指導だから、無茶してもきっと助けてもらえる(?)という安心感もいい。講師の高田さんの説明もとても楽しかった。



まずは、このキットについて。これはビクターのスピーカーSX-WD5を自分の手で組み立てるもの。市販の商品と同じものがキットになっているものはめずらしい。段ボール箱にはSX-WD5のキットがほぼバラバラの状態で入っている。「ほぼ」バラバラというのは、エンクロージャー(木の外箱)だけは組み立ててあるから。じゃあ、スピーカーユニットをネジで留めるだけで完成じゃないの?と思う人もいるかもしれないが、そこまで簡単じゃない。ネットワークの回路は組まれていないし、吸音材も素材のままです。でも構造は単純。だからこそ、ちょっとした違いで音が大きく変わるし、また積極的に音を作っていけるものというのも組み立ててみてよくわかった。単純だからこそ、奥深いのだね。では順を追って組み立てリポートを始めよう。

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講師の「では、箱を開けてみましょう」の第一声の前から、みんな箱を開けている。これは我慢できませんよね。まずは部品の確認から。 組み立て済みのエンクロージャー。これが天然無垢チェリー材かぁ。塗装は下塗りだけだから、色や木目が1台1台違う。どうやって塗ろうかなぁ。そしてスピーカーユニットが2センチのツイータと11センチのウーハーのふたつ。おお、それぞれウッドコーンだ(と、いちいち感動しちゃうんだな)。

ネットワーク用のボードと部品は真空パックのようになっている。吸音材は素材違いで2種類。端子やネジやコード、バスレフポート(紙製の筒です)など、多くはない。これなら楽勝?かな。

そして工具の確認。教室ではビクターさんが用意してくれましたが、家でトライする人は事前によく準備を。6角棒レンチ、ドライバー、ラジオペンチ、ニッパー、接着剤、ナイフ、はさみなどマニュアルに書かれているものは全部必要になります。部品は全部スピーカーユニットが仮止めされたエンクロージャーの中に入っているので、6角棒レンチがないと取り出すこともできないですよ。教室では組み立て時間の短縮も考え、ボンドの代わりにホットメルト(熱で溶かす樹脂)を使用しました。これは便利です。工具がずらりと並ぶとそれだけで気分が高まるなあ。ちょっと緊張ですね。 

 

ネットワークの組み立て

組み立てはネットワークから。ネットワークというのは、簡単に言うと高音用と低音用ふたつのユニットに音の信号を振り分ける回路のこと。コンデンサとコイルなどからなっているいたってシンプルな構造だが、講師からはいきなり「後に改造を考えている人は、そのつもりで組み立ててください」と。見渡すとうなずいている人ばかりじゃないか。
ネットワークのコンデンサや回路を変えれば当然音が変わる。マニュアルにも改造用にいくつかの回路図が出ている。市販のモデルでは、こうした改造はなかなかできないが、キットなら容易に「SX-WD5・マスター・スペシャル2号改」を作ることができる。市販品というしっかりしたベースがあるからこそ、違いが楽しめるというもの。

とりあえずマスターの私はマニュアルどおりに組み立てを進めることにする。マニュアルの図を見ながら部品をボード上に並べて瞬間接着剤で仮止めし、リード線をねじり合わせる。接続を確認してハンダ付け。ハンダごてを持つのは何年ぶりだろう。このニオイに懐かしさを感じるのは私だけか。昔ラジオを作ったなぁ・・・。「ハンダ付けのコツは、リード線をよく熱すること」など、各作業台を回る講師からはさまざまなアドバイスがある。「ハンダ付けには性格が出ますからね!(え、本当?)」とか「くれぐれも後悔しないように(笑)」などという気になる声も聞こえる。でもハンダ付け未経験の人でも心配ないでしょう。ハンダ付けはわずか5箇所です。マニュアルもわかりやすく書かれているので、接続を間違えることもない。ゆっくりやれば大丈夫。

 

粘りのボンドか乾いたホットメルトか

ハンダ付けが終わり、回路が組み上がったら、次はボードに固定。「改造派」は後で外せるようにしますが、マスターはマニュアルどおりにがっちり固定します。ここで講師から「コイルなどが振動しないようがっちり固めてください。ただしボンドで固定するとボンドの音がします。ホットメルトで固定するとホットメルトの音がします。ネットワーク自体も振動しますから」とアドバイスが。「後悔しないように」というのはこれか。ちょっとした違いで音は大きく変わるのだ。「粘る」ゴム系ボンドの方がJAZZYな音が出るかも、と一瞬思ったが、楽ちんなので(そう、組み立てにも性格が出る?)ホットメルトをたっぷりつけてネットワークを固定。ホットメルトは固まれば軽いプラスチックだから、カラリとしたウェストコースト・サウンドになるのか?まあ、ここは後のチューニングで勝負だ(って誰と勝負するのか)。

ここで一休み。ちょうどお昼だし、接着剤が固まるのに時間も少し必要だ。あとは各パーツを接続して組み上げる作業になる。ここまでは電子工作。午後からは木工か。スピーカーっていろんな要素から成り立っているのだな。箱の仕上げは後日じっくりとやることにして、もうすぐ音出しだな、とワクワクしながらお弁当。お弁当食べながらもみんな話はオーディオのことばかり。真空管アンプで鳴らすのとデジタルアンプで鳴らすのとどっちがいいだろうか(試聴用には両方が用意されているのだ)とか、マスターはすでに完成後の音出しのことを考えていたのだが、実はこの先の残り少ない工程にこそ「自分だけの音」を決める、楽しくも悩める最大のヤマ場が待っていたのだ。

後編「組み立て午後の部〜音出し編」に続く

 

 

関連情報

当選者(ニックネーム:shigeyoshiさん)の体験レポート
https://jvc-jazzcafe-2007.4up.eu/event-woodcone-craft_report
ビクターショールーム(限定日公開)
https://jvc-victor.4up.eu/28s/index.html
今回のイベント参加者レポート
https://jvc-victor.4up.eu/28s/report_200703.html


前編後編

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