Frederic00さん、いらっしゃいませ。
えー、よくジャズの歴史は「ネタ集め」の歴史と言われますが…、いえ今、私が言いました。でも、そういう側面はないとは言えません。自分で曲を作らないジャズマンは、いつもいい曲、いい題材を探しているわけですから、クラシックも昔からネタにされてきています。
最も有名なのは、お察しのとおりバッハです。まずお勧めは『プレイ・バッハNo.1』。フランスのピアニスト、ジャック・ルーシェがトリオ編成で、平均律クラヴィーア曲集第1巻より「前奏曲第1番ハ長調 BWV.846」「フーガ第1番ハ長調 BWV.846」などをやっています。曲目リストを見るとクラシック・アルバムと区別がつかない(当然だね)。1960年の録音。これは世界中でヒットしたんだけど、幸か不幸か、ヒットし過ぎちゃったものだから、以降「ルーシェ=バッハの人」となってしまって、シリーズを連発。最近ではヴィヴァルディ、サティ、ラヴェル、ドビュッシー、ショパン、モーツアルトなどにも手を広げている。これはもう、ひとつのジャンルといってもいいくらいだね。だってルーシェのバッハのシリーズは世界中で600万枚も売れているんだから。種類は確認しきれてないけど、何十枚も出てます。
さて、「運命」です。「ないですよね?」なんて決めつけないで。ルーシェのベートーヴェンは7番だけのようですが、5番「運命」のジャズ版ありました。 アメリカのピアニスト、ランディ・ウォルドマンの『Wigged Out』はピアノ・トリオ+アルファの編成でクラシックを題材にしています。で、「ジャジャジャジャーーン」もやってます。なんとリズムはサルサです。遊び心たっぷりのアレンジで、おもしろいですよ。「ピーターと狼」ではマイケル・ブレッカーのテナー・ソロも聴けます。
ジャズにまだ「ネタ」は残っているのかな…。