「ナーディス」
「ナーディス」
作曲:マイルス・デイヴィス
(「Jazzアルバムの楽しみ方」から続く)
ビル・エヴァンスの『モントルー』のハイライトは「ナーディス」。エヴァンスの愛奏曲かつ代表曲として知られるが、作曲はマイルス・デイヴィスである(ポンタ・ボックスはマイルス・デイヴィス・メドレーのシメとしてこれを演奏したのか?!)。マイルス自身の録音はなく、初演はキャノンボール・アダレイ(アルト・サックス)の『ポートレイト・オブ・キャノンボール』で、エヴァンスもその録音に参加している。マイルスがキャノンボールにプレゼントした曲とも、エヴァンスが書いた曲とも言われるが、いずれにせよこれを繰り返し演奏し有名にしたのはエヴァンスである。『エクスプロレイションズ』(61年)以来、死去の直前まで多くの録音を残したが、『モントルー』はとりわけ名演。トリオ全員、力が入った熱い演奏となった。
写真:『モントゥルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』 (ユニバーサル)*本文では「モントルー」に統一しました。