当店の今月のオススメアルバムはヴォーカリストnoonの『Holy Wishes』。常連客のみなさんにはnoonはもうおなじみですね。これはタイトルからわかるようにクリスマス・アルバム。noonが歌うのだからもちろんジャズ・アレンジされたもの。バックのメンバーの名前がたくさん書いてあるけど、みんないっしょに演奏しているわけではなく、各曲のアレンジはいたってシンプル。noonの素直な声をじっくりと楽しんでもらおうということかな。歌い方はジャズジャズしてないから、ジャズになじみが少ない人にも聴きやすいね。
彼女のプロフィールは彼女のサイト(http://www.heartmusic.co.jp/noon/)を見ていただくことにして、さっそく聴いていきましょう。コーヒーお待たせしました。
その前に、クリスマス・アルバムってとにかくたくさんあるけど、みんなどういう聴き方してるのかな。12月のデートのBGMかなんかにしてるの? あっちゃんどうなの? レコード店に行くと年中クリスマス・アルバム・コーナーがあるし、クリスマス・アルバム・コレクターもいるぐらいだから、「クリスマス」というくくりは音楽ジャンルを超えたものがあるよね。「音楽的に気合いを入れて」というのとは一歩離れたものが多いから、割とミュージシャンの「素」の姿が見えたりしておもしろいよね。
まあ商売柄、マスターはジャズ・クリスマス・アルバムだとけっこうマジメにジャズとして聴いちゃうんだけど。
このnoonは選曲が面白い。「大定番」クリスマス・ソングと、ジョージ・マイケルとジョニ・ミッチェルの曲がある。古さと新しさかぁ…と思って作家名を見たら、実はちょっとした発見があってさ。クリスマス・ソングってどれも大昔からあると思ってて今まであまり気にしたことがなかったんだけど、有名曲でもけっこう新しい曲なのね。マスターやってるのに不勉強で恥ずかしいんだけど…。あっちゃん知ってた?「ホワイト・クリスマス」を書いたのはアーヴィング・バーリンなんだよ。あっちゃんの好きなスタンダード「リメンバー」とか「チーク・トゥ・チーク」を書いた人。「ザ・クリスマス・ソング」は、ジャズ・ヴォーカルの大御所メル・トーメだったのね。なんて思ったら急にクリスマス・アルバムじゃなくてジャズ・スタンダード・アルバムに思えてきたというわけ。そういえばビル・エヴァンスが普通のアルバムに「サンタが街にやってくる」を入れているのがあるだけど、あれはやっぱりスタンダードとして入れていたのかな。
なんて言っているとなかなかnoonに行かない。ごめんなさい。では1曲目からかけます。