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Victor Jazz Cafe - ビクタージャズカフェ

マスターに聞こう!

Q32. ID:rxc05005さんの質問
私は、ドラムの「リム・ショット」の音色が大好きです。でも。そんなくくりで「お気に入り」公開しているヒトはいませんよね。そこでマスターにお尋ねします。ずばり「リム・ショット」が良く聞こえる、あるいは良い場所で響くフレイズを持つような曲を教えてくださいませんか?

rxc05005さん、いらっしゃいませ。
リムショットというのは、スネア・ドラムのリム、つまり「外枠」を叩く「カッ!」っていう音のこと。わかるなあ、コレ。気持いいんだよね。リムショットが使われるのは、リズム・キープする場合、つまりずっとリズムを叩いているのと、ソロやフィル・イン(オカズって呼ばれる短いフレイズ)で使う場面がある。アフロやラテン系ビートだとリム・ショットでのリズム・キープは基本技だね。

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『マイルストーンズ/マイルス・デイヴィス』
(ソニーレコード)

まずお勧めしたいのはフィリー・ジョー・ジョーンズのプレイ。1950年代のマイルス・デイヴィス・クインテットでのすばらしいプレイで知られるフィリー・ジョーは、豪快さとリラックス感覚のバランスが絶妙。1959年録音のマイルス・デイヴィス『マイルストーンズ』では、タイトル曲「マイルストーンズ」で最初から最後までリム・ショットでリズム・キープしています。この曲の軽快な感じはこのリム・ショットの印象が大きいね。ラストの「ストレート・ノー・チェイサー」では、ホーン3人の吹きまくりのソロに続く、レッド・ガーランドのピアノ・ソロからリム・ショットが入ってくる。こういうチェンジ・オブ・ペースは常套手段でもあるけれど、フィリー・ジョーだとまた格別の気持ちよさだ。


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『アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ』
(ユニバーサル)

リム・ショット・マニア(っているのかな?)には『アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ』は必携の1枚。なぜならジャケットに注目。これブレイキーがリム・ショットしている写真だよ。1曲目「ア・ラ・モード」はこのジャケットのイメージ。ずっとリムを叩きまくってます。2曲目と3曲目はラテン・ビートが入るから、やっぱりリム・ショットがよく出てくる。5曲目はリム・ショットによるフィル・インがイントロ。よく使う人なのね。


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『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』
(ユニバーサル)

このふたりの名前を出したならエルヴィン・ジョーンズも紹介しなきゃね。『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』の1曲目「ナイト・アンド・デイ」は、ラテン・ビートと4ビートが交互に出てくる定番アレンジなんだけど、このラテン・ビートでのエルヴィンのリム・ショットは強烈だ。1曲終るとスティックはきっとボロボロに違いない。すごいパワー。


いやー、こうやって細かく聴いていくと、改めてドラムっていろんなことができるんだなあと感動しました。質問ありがとうございました(ペコリ)。また来てください。


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