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Victor Jazz Cafe - ビクタージャズカフェ

マスターに聞こう!

Q14. ID:takassanさんの質問
「朝日のようにさわやかに」は、多くのミュージシャンが演奏していますが、最初に演奏されたのは、誰なんでしょうか教えてください。またマスターの一番のお気に入りは?

takassanさん、いらっしゃいませ。
「朝日のようにさわやかに(Softly,as in a morning sunrise)」は、1928年の歌劇『ザ・ニュー・ムーン』がオリジナルで、作詞はオスカー・ハマースタイン2世、作曲はシグムンド・ロンバーグ。ジャズ・スタンダードになっている「恋人よ我に帰れ」も同じ作家で同じ歌劇の曲だ。ムードはまるで違うけどね。

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『コンコルド/モダン・ジャズ・クァルテット(MJQ)』
(ユニバーサル)

いつも思うんだけど、原題の「Softly」って「さわやか」って意味じゃないよね、曲も暗いし…。とまあそれは置いといて、この曲がジャズで最初に有名になったのはモダン・ジャズ・クァルテット(MJQ)の演奏だ。1952年から何度も演奏・録音を続けて、グループの代表曲のひとつとなった。
たくさんあるけど、まずは1955年の『コンコルド』をどうぞ。バロック音楽風アレンジで、ジャズとしてはちょっと異色の演奏だけど、「ソフトリー」が好きならぜひ聴いておきたい1枚。はい、コーヒーもどうぞ。

この曲の構成はシンプルなので、いろんなアプローチができる。ヴォーカルではスローなバラード(『ニアネス・オブ・ユー/ヘレン・メリル』)もありだけど、インストではMJQのような「静寂」か、激しく燃え上がる「激情」のどちらかのタイプという感じかな。激情型はジョン・コルトレーン(ソプラノ・サックス)の1961年のライヴ盤『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』がきっかけになった。曲名とはうらはらにハードに吹きまくる演奏だ。こちらはコーヒーより強いお酒がいいね。

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『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード/ジョン・コルトレーン』
(ユニバーサル)

さて、質問に答えます。「静寂」なら『ケリー・ブルー/ウィントン・ケリー』がいいなぁ。ピアノ・トリオ編成です。「激情」なら『クエスト/クエスト』(ソプラノ・サックスのデイヴ・リーブマンのクァルテット)がとびきり熱くて気に入ってます。そうそう、ソニー・ロリンズのテナー・サックス・トリオ『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』は内に秘めた激情って感じだね。静かだけどゴツゴツした感触がある。

オマケの話だけど、ジョン・スコフィールド(ギター)の『フラット・アウト』には「Softy」という曲がある。これは誤植じゃなくて、「ソフトリー」のコード進行を使ったオリジナル。激情型の大迫力ギター・トリオで、これもおすすめです。


とにかく「ソフトリー」はたくさんの演奏があって、しかもいろんなタイプがあるから、聴き比べはとても楽しめますよ。どれか聴いたらぜひ感想を聴かせてね。



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