rizumuさん、いらっしゃいませ。
以前からたびたび紹介していますが、今日「ジャズ・スタンダード」と呼ばれる曲の多くは、ジャズマン自らが書いた曲の他、もともとブロードウェイ・ミュージカルのヒット曲や古い映画音楽だったりします。今は「ジャズでよく演奏される曲」として知られているものも、かつては「ヒット・ポップスのジャズ・カヴァー・ヴァージョン」が始まりだったりするわけです。はい、コーヒーお待たせしました。
さて、ご質問の「今の歌のジャズ・カヴァー」ですが、実はたくさんあります。しかもJ−ポップ曲なら有名曲はほぼ出ているといっていいぐらいの数です。これらのアルバムはジャズ・コーナーよりもヒーリング/BGMやJ−ポップのコーナーに置かれていたりするので、ジャズ好きの目には逆にとまりにくいかもしれませんね。
『ジャズ・ピアノで聴く○○○』というようなタイトルで多くのアルバムがリリースされていますが、多く出ているだけあってその内容はさまざま。BGMとして作られているもの、「ジャズ風」にアレンジされたもの、もちろん「ジャズ」になっているものもあります。
rizumuさんはユーミンがお好きですか。それならば『ジャズで奏でる松任谷由実作品集/MJRトリオ』がお勧めです。このアルバムはユーミンの曲を「ジャズ・スタンダードのように」演奏していることが特徴です。編成はピアノ・トリオで、構成はテーマがあって、その進行に沿ったアドリブ、そしてテーマで終るというモダン・ジャズの流儀に則ったもの。手加減なしの濃いジャズ演奏になっています。
タイトルどおり「ユーミンの曲をジャズでカヴァーすること」がもともとのコンセプトなんだろうけど、結果的に「たまたまユーミンをネタにしたモダン・ジャズのピアノ・トリオ演奏」になっている。だからユーミンの曲を知らなかったとしても優れたピアノ・トリオとして楽しめますよ。どうぞ聴いてみてください。
ジャズ・コーナーじゃないところにも意外なジャズ・アルバムがあったりするんだね。