elmoさん、いらっしゃいませ。
「セサミ・ストリート」は番組もテーマ曲も有名ですね。あのハーモニカはトゥーツ・シールマンスが作曲し、ハーモニカを吹いています。トゥーツはジャズ・ハーモニカの創始者として知られ、今日まで50年以上活動を続けています。
トゥーツは1922年ベルギーのブリュッセル生まれ。40年代からジャズ・ギタリストとして活動を始めました。50年代はじめにアメリカに移住し、ジョージ・シアリング・クインテットへの参加や、チャーリー・パーカー(アルト・サックス)との共演など、ジャズの第一線で活動しますが、一緒に演奏していたハーモニカの方が高く評価され、いつしかハーモニカ奏者として活動するようになりました。ハーモニカはジャズとしては特殊な楽器であり、構造的にジャズ演奏が難しいこともあってか、トゥーツはジャズ・ハーモニカ奏者としてほとんど唯一の存在となっています。
アルバムはたくさんリリースされていますが、これまで、ビル・エヴァンス(ピアノ)、ジャコ・パストリアス(ベース)、クインシー・ジョーンズ(バンド・リーダー)ら多くのジャズマンと共演。また活動の場はジャズにとどまらず、ビリー・ジョエル、ポール・サイモンなどポップスや映画音楽でも彼のハーモニカは大活躍しています。またギターも時折プレイしており、口笛とユニゾンでソロを弾く独特のスタイルも持っています。
マスターのお勧めは、まずトゥーツのリーダー・アルバムの『イースト・コースト、ウエスト・コースト』。これはアメリカ東西岸のジャズマンとのセッション集。ジャズ・スタンダードをさまざまな編成で聞かせてくれます。初めて聴く人はきっとハーモニカという楽器のイメージが変わるんじゃないかな。フレイズも表現力も驚異的ですね。ハービー・ハンコック(ピアノ)、チャーリー・ヘイデン(ベース)などが参加してます。
そして、ビル・エヴァンス(ピアノ)の『アフィニティ』。エヴァンスの繊細なピアノと哀愁ただようハーモニカの組合せは、実にしみじみ。雨の日にいい感じですよ。