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第10弾 進化したウッドドームユニット搭載のヘッドホン「HA-FX700」 その2

マスターのこだわり 第10弾 その2 マスターは見た! 進化したウッドドームユニット搭載のヘッドホンHA-FX700
その1その2

「木」と「独自の音響テクノロジー」はどんな音を作り出すのか

ウッドドームユニットと独自テクノロジーの新開発で進化した第2世代

原音を忠実に再生する新設計“ウッドドームユニット(右)とウッドドーム振動板

前回、インナーイヤーヘッドホン「HA-FX700」の新商品説明会に潜入したマスターですが、今回は商品の詳細についてお伝えします。「HA-FX700」は、2008年に発売された世界初※のウッドドームユニット(木製振動板)搭載のインナーイヤーヘッドホン「HA-FX500」の上位機種にあたります。「HA-FX500」は振動板に理想的な素材である“木”を採用し、それまでのインナーイヤーヘッドホンのイメージを大きく変える切り口で、また木目を生かした木製ハウジングの強烈なインパクトでも大きな話題になりました。そもそも音の伝わりが速く、余分な振動も適度に吸収する性質を持つ“木”。その音響特性を振動板で生かすことにより、美しい響きと自然な広がりを感じさせる音作りを目指していたのがビクターだったのです。あれから約2年、このたびリリースされる新商品「HA-FX700」は基本的にはその特徴を受け継いだもの。世の中には外観をちょっと変えただけで「新商品」にしちゃったりするブランドもあるかもしれませんが(笑)、この「HA-FX700」は違う。ちょっと変わった外観よりも、実は見えないところが大きく進化しているのでした。※2007年12月26日現在ヘッドホン用振動板として。

約2倍大きくなったウッドドームユニット

ズバリ、「HA-FX700」が進化したのは次の2点。まずは「新設計」のウッドドームユニットを採用したこと。素材は「HA-FX500」と同じカバ材だけど、この大きさが違う。「HA-FX500」はφ8.5ミリだったのが、「HA-FX700」ではφ10ミリに拡大、ウッド部の表面積は約2倍の大きさになっている。また、ユニットの形状も見直し、円錐形に変えている。

小さなイヤホンに詰め込まれた数多くのテクノロジー。すごい!

新設計のウッドドームユニットは、ウッド部の表面積が従来の約2倍

ここまで違うとグレードアップではあるんだけど、「別物」と言ってもいいぐらいですよね。ちなみに素材が変わっていない理由は「やっぱりカバ材がよい」(技術部・内田裕さん)からとのこと。「やっぱり」ということは新たな研究開発の結果であり、また「HA-FX500」での基本方針は正しかったという証明になるかな。

デュアルハイブリッドで振動をコントロール

クリアな音再生を可能にするデュアルハイブリッドの振動版ユニット

もうひとつは「デュアルハイブリッド構造」。そもそも「ハイブリッド構造」とは「HA-FX500」でも採用されていた構造で、ドライバーユニットの背面に重い素材であるブラスリングを加えて振動板を抱え込み、振動板本来の振動を逃さないようにする構造。多くのインナーイヤーヘッドホンのように、ユニットが軽いプラスチックで固定されていると、ユニットとともにヘッドホン全体が振動してしまい、音に悪影響が出てしまいがち。今回の「デュアル」というのは「ハイブリッド」をさらに進化させ、ユニットの背面だけでなく前面にもブラスリングを配置した構造。つまり、重たいブラスリングでユニットを前後からがっちりと固定して、ユニットのさらなる安定した振動の確保とロスの低減を図るというもの。説明会で内田さんが、「これにより芯の太い音、臨場感のある音を再現できたと思います」と、「思います」という言葉を使いながらも、「キッパリ」と語っていたのが印象に残っていますね。なお「デュアルハイブリッド構造」は特許出願中とのこと。

小さなヘヴィー級

木製ハウジングのインパクトは、中身の進化とともにさらに圧倒的に!

そして、それら収納されているハウジング(筺体ですね)も変わりましたが、単なるデザイン的な意図ではなく、中身の進化に合わせてのもの。まず、「HA-FX500」と比較するとユニットが大きくなっているので必然的に太くなった印象。とは言っても肥満体ということではないよ(笑)。インナーイヤータイプだから大きくしようとした訳ではないと思うけど、その中でいかにこのユニットを収め、さらに適度な容積をどう確保するかというところから導き出された形なのでしょう。これまでマスターは、インナーイヤーヘッドホンの「容積」なんて考えもしなかったけど、これがスピーカーと考えればエンクロージャーのサイズは音にとって大問題なわけですよね。そういった構造面の要求と制約をクリアしながらも、デザイン面はまったく妥協をしていない(と思える)上質かつ落ち着いた雰囲気を醸し出している。美しい木目と、シルバーのリングとオーナメントのコントラストがいいなあ。

ちなみに重さは9.6グラム(コード除く)。「HA-FX500」が7.5グラムだったから2.1グラム増えている。片耳約1グラムだけど、比率では3割近い重量増加だ。これはかなり大きな変化だね。ちなみに普及しているインナーイヤーヘッドホンは3グラム代前半のものが多いので、「HA-FX700」はその3台相当。かなりヘヴィー級ですね。よく「オーディオ製品は重い方がいい」と言われるけど、不要な振動を抑える点からみれば、それは鉄則。この重量は、「HA-FX700」は耳に装着するハイクオリティ「スピーカー」という証明なのね。ちなみにイヤーピースは低反発樹脂製とシリコン製の2種類が付属されている。装着感はもちろん、これで音もかなり変わるんじゃないかな。

ヘッドホンは発想力と技術力の集大成

インナーイヤーヘッドホンで高水準の音を目指してたどり着いた発想力と技術力「HA-FX700」

というように、「HA-FX700」には音を聴く前から「へぇ~」の連続なんだけど、インナーイヤーヘッドホンの中身って小さなスピーカー1個が入っているもの(実際にはそういうのもありますが)と単純に考えがちだったのでホントに驚いてしまうね。耳に直接装着して使うものだから、大きさ、重さはおのずと限られるだろうし、また直接人体に触れるものだから素材的な制約(触感やアレルギーや毒性)も多いはず。だからこそ、高品質ヘッドホンの設計・製造は本当に難しいことなのだと思う。それにもかかわらずこの木のハウジングの中には、先に紹介したウッドドームユニットやデュアルハイブリッド構造のブラスリングの他にもスクリーン、リングダンパー、グラスウールの吸音材や制振ジェル(コードのタッチノイズの低減)など15個以上のパーツがぎっしりと詰まっているんだから驚きだ。しかもサイズがサイズだけに、組立て精度の追い込みも相当なものなんだろうな。

そう考えると、インナーイヤーヘッドホンはメーカーの発想力と技術力の集大成じゃないかと思いましたね。「HA-FX700」は「木」が売りなんだけど、「木を使う」ということが目的ではなく、原音の感動を忠実に伝えるインナーイヤーヘッドホンを目指したひとつの結果が、木を使った「HA-FX700」だったというのが本当は正しいんだな。「JVCケンウッド丸の内ショールーム」のマネジャー竹ノ内さんも言っていたように(→前回にリンク)、大切なのは「まず音楽を楽しむこと」だものね。マスターはずっと「ウッドコーン派」だけに、外見と情報に気をとられ過ぎてたかな、とちょっと反省しました。

と、冷静になったところで、いよいよ次回は(お待たせしております)、マスターがその「音」をリポートさせていただきます。装着感に始まって、基本的な音質、音源や環境による違い、などなど試したいことがいっぱいだ(最初に何を聴くかでまず悩みそう…)。お楽しみ!
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