ホームイベントキャンペーンVictor Jazz Cafeマスターのお話マスターのこだわり

カフェの雰囲気でジャズや音楽の楽しみ方をご提案 - ビクタージャズカフェ

VICTOR JAZZ CAFE

第6弾 North Sea Jazz Cruise 2007

マスタービクター・JVCがスポンサードしているJVC Jazz Festival のひとつ、North Sea Jazz Festival 2007が 2007年7月13日~15日オランダ・ロッテルダムで行われた。

2007年7月5日~13日まで、初めての試みである「The North Sea Jazz Cruise」に仕事で乗船したというお客様nattyが来店。
なんだか興奮して話しているね。

バルト海をクルーズしながら「North Sea Jazz Festival 2007」に辿り着くというマーカス・ミラープロデュースの豪華クルーズプランだね。
夜ごとさまざまな豪華ミュージシャンのジャズライブが 堪能できるという、なんとも贅沢な企画らしいね。 nattyのお話に耳を傾けてみましょう。  マスターも来年はお休みして行きたいものだ。

7月5日

前日到着したときの穏やかな天気がうそのように、朝から台風のような強風と大雨。
横殴りの雨にびしょびしょになりながら、17時に乗船。デンマークにいるというのに、一気にアメリカに来た錯覚を覚える。 というのも、こざっぱりしたデザインのデンマークとは打って変わって、ラスベガスのホテルのようなバブリーな内装 (金ぴか&ゴテゴテ)と、客のほとんどが陽気なアメリカ人であるためであろう。


想像していた通り、50代~60代以上の夫婦がほとんどであり、おそらく私なんかはお客さんの中でも最年少に近い部類では ないかな。もちろん家族連れも少ないながらも数組いましたけどね。
この船は1300人のキャパがあり、客室も700近くあるという。 プールやジャグジーもデッキと船内に3箇所完備され、 レストランやバーは5箇所以上ある。 さらにスパやジム、カジノまで用意され、 長い船旅でも飽きさせないような作りになっている。 客室は狭いながらもきちんと整えられており、 バスタブも完備されているのでとても快適。 バスローブやアメニティも配備されており、 5つ星ホテル並みの環境だ。


6時から船のダイニングでディナー。 従業員のほとんどがインドネシアから働きに来ているという。 アジアの人達は、なにかとホスピタリティは十分、サービスはとても心地よかった。
混雑を避ける為に、レストランは6時からの回と8時からの2回回しになっていて、 メニューは毎日変わるプリフィクス、 その日の気分で食べたいものを自由に選べる。前菜、スープもしくはサラダ、メイン、デザートとフルコースで堪能できるのが うれしい。 もっとも旅の最後にはあまりにもボリュームがありすぎて・・・ご想像におまかせします。

さて、たっぷりのディナーで満腹になったあとは、お待ちかね、マーカス・ミラーのウェルカムショー。 7月25日にリリースされたニュー・アルバム「Free」 の冒頭を飾る「Blast」で始まり、 ニューアルバムからの曲を中心にマーカスのファンキーなベースはどこまでも会場を盛り上げていく。 会場が最高潮にあったまった頃に、カーク・ウェイラム(sax)登場。


小柄な体から発せられる男気溢れ、包み込まれるような温かなテナー・サックスの音色に思わずうっとり。 サンバのリズムに乗った「デスパレイトリー」で客は全員タテノリ、 次に妻と神にささげる曲をしっとりと聴かせ、 会場全体がひとつの耳になってその美しい響きに聴き入っているようだった。
もちろん、今回最初のステンディングオベーションを受けたのもカーク・ウェイラムだった。 最後には、ジェームス・カーター(sax)も田舎Bボーイ系のだぼっとした服で乱入し、クライマックスの スティーヴィー・ワンダーの名曲「Higher Ground」で観客総立ち&総ダンス大会になる。
マーカス・ミラーバンドのキース・アンダーソン(sax)を始め、カーク・ウェイラム、ジェームス・カーターと 凄腕サックス3人の共演ともなれば、盛り上がらないはずもなく、いやが上でも踊らされてしまった。

それにしても、この会場には音楽好きしか居ない。みんな笑顔で、余裕があって、JAZZの凄腕たちの共演に 頭からつま先まで浸かるという、とても幸せな空気をシェアしている。 笑顔にならないわけがない。とても感動的な夜だった。

7月6日

今日はいよいよ夜からバルト海へ向けて航海が始まる。
昼間はマーカスの取材に奔走した。残念ながら天気も悪く、デッキでの写真撮影は叶わなかった。

さて今夜のステージは、ロイ・ハーグローブ(tp)。ウッドベースとピアノ、そしてトランペットというトリオから 縦横無尽に転がるアドリブ、静かな微熱が発せられる。ごく正統派なJAZZという印象の演奏だ。 うっとりと流れていく時間に、身をゆだねながらそろそろ船が出港する頃、船のゆっくりとしたゆらぎと共に体も揺れた。

7月7日

朝、目が覚めるとドイツのワレンバーグという港町に到着していた。絵本に出てくるようなカラフルで小ぶりな家々の並ぶ、 観光地だ。ドイツや近隣のヨーロッパ諸国から観光客が大勢やってくるようだが、とても小さい町なので1時間も歩けば 町の全貌がつかめてしまう。マーカスのフォトセッションを甲板にて行うも、途中から降りだした雨に見舞われあわただしく 終了。

夜のステージは、ロイ・ハーグローブとジェームス・カーターがマーカス・バンドと共演というラインナップ。
ロイは前夜のクラシックな音色とはうって変わってファンキーかつタイト。そしてジェームス・カーターは、 顔を真っ赤にしながら荒々しいブロウ。途中ボイス・パーカッションをしながら吹くという妙技も披露し、 オリジナリティーのあるやんちゃな音を聴かせてくれた。それぞれの個性を、マーカスとそのバンドが一つの大きな グルーヴへと纏め上げる。さすが、マーカスのプロデュース力が冴え渡るステージとなった。

こってり味のステージを堪能した後は、船の最上階にある夜景が綺麗だというバー「Crow's Nest」へ・・・。 (航海中いつも曇りか雨だったので、一度も綺麗な夜景を見れたことがなかった・・・。) ここではロバータ・ガンバリーニのステージが行われていた。ステージ前は満員で入ることが出来なかったので、 ステージ裏手のラウンジにて声のみ堪能することにした。ジャズファンの評価がとても高いガンバリーニ。 ハッとさせられる高音の響きや低音のシルキーな肌触りというものが、姿は見えなくても伝わってくるほど存在感のある、 評判どおりの声だった。

さらに夜12時を過ぎる頃、プールサイドではDJロジックがガラス張りになっている天井を揺らす勢いでハウスをスピンしている。
残念ながら、この船には夜通し遊ぶ体力のある若者があまり乗っていないので(何しろ平均年齢は絶対50代だ。)、 踊っているお客さんは少なかったが、近くには24時間オープンのビュッフェがあるので、みんな思い思いの場所、 シチュエーションで船上の夜を楽しんでいるようだ。

7月8日

今日は日曜日。キリスト教徒なら教会へミサへ行く日なので、今日は朝10時からミサ代わりの「ゴスペルHour」があった。 このステージのホストは自身も熱心なクリスチャンであるカーク・ウェイラム(父親が牧師さんなのだそうだ)。 「国籍も宗教もさまざまな人たちが集っているので、今日はカジュアルに、」という前置きのあと、ソロで神にささげるブロウを聴かせる。 マーカス・バンドのメンバーが参加していき、ゴスペルの曲を次々に演奏していく。会場全員が総立ち&大合唱になる。

このステージの目玉は急遽飛び入り参加をした、マーカスの父ボブ・ミラー。既に80歳を過ぎており、エスコート無しではスムーズには 歩けないくらいお年を召してはいるが、もともとピアニストだったということで、ステージに上がると表情が一転した。
マーカスのバス・クラリネットと父ボブのピアノだけで奏でられる「アメージング・グレイス」。 互いへの愛に溢れた演奏が感動の波となって会場を覆い、夫婦は涙し、親子は肩を寄せ合っていた。
会場の全員がそれぞれに自分の愛する人に思いを寄せた、とても感動的なセッションだったことは、満場のスタンディング・オベーション からも明らかだった。

このステージが終わる昼過ぎにはスウェーデンのヨーテボリへ到着。 港から街まではフリーのシャトルを使って20分程で到着するのだが、日曜日いうこともあって殆どの店は閉まっているし、 雨と風のあまりの冷たさに、観光もほとんどせず逃げるように船へもどる。

この日 夜のステージにはいよいよデビッド・サンボーンが登場。真のエンターテナーとはこういうものだ、というのを存分に見せつける ステージになった。艶があり、魅せるブロウはもちろんのこと、トークがとにかく面白く、ちょうど船がフィンランドへ向けて出港する タイミングで船が揺れると、それをネタにどっかんどっかん笑いをとっていく。

マーカスとの共作「アップフロント」では船の揺れも手伝って、会場全体がヒートアップ、そして大いに揺れる。 躍らせるステージに関しては、やはりサンボーンはすばらしい。ノリノリの「ブラザーレイ」でとうとう悪天候の中の航海のため、 船が激しく傾き、出演者も立っているのがやっと、機材が倒れ、音が出なくなってしまった。

必死にクルーが機材を直している間も、音の出せるメンバーは軽く演奏しながら、それをバックにサンボーンがウィットの効いたトークで 会場を笑わせる。やっと機材が復旧したころには、みんながこのハプニングを乗り越えた達成感でさらに会場が一つになり、お客さんも 全員総立ち。揺れる船に足を踏ん張りながら、もしくはよろめきながら踊る。

途中一曲ロイ・ハーグローブが飛び入りし、サンボーンと若手vs大御所のスリリングなセッションを繰り広げる。 ハーグローブが次の曲にいこうとして、3音くらい吹いたところで、次のスケジュール予定を思い出したようで、 いきなりステージを走り去って行った(同じ時間帯に別のオーシャン・バーではジェームス・カーターがライブをしていたので、 おそらくそこに参加する予定だったのだろう)。その姿に一瞬呆然とするも、そんな憎めないキャラクターのハーグローブをみんなが 笑って見守っているあたりに、暖かな先輩達の後輩へのまなざしを感じた。

続いてカーク・ウェイラムもステージに登場。サンボーンとの絡みは特に秀逸で、きらびやかなサンボーンの音色と温かく包み込むような ウェイラムの音色が絶妙に絡み合い、とても幸せな空気が会場を包んだ。このまま幸せな空気のままどこまでもいけたらいいのに・・・! (スケジュールの都合で明日はオスローで下船することになっているのだ。)

まだ、これからハービー・ハンコックやディー・ディー・ブリッジウォーター、メデスキ、マーティン・ウッドなどの豪華メンツのライブが 残っているというのに・・・。後ろ髪を引かれる思いで、翌日下船した。

 

毎日寝て起きると、見知らぬ国の風景が窓の外に。そして毎晩豪華なJAZZのセッションにどっぷり浸る。 なんて至れり尽くせりなラグシュアリーな旅だったろう! お金と時間を作って、また絶対に戻ってこようと心に決めた。マスターも来年はどう?



【現在、この投票・投稿は終了しています。】
最新の記事のみ、投票・投稿を受け付けております。
  • ■最新の記事についてのみ投票を受け付けています。
  • ■各テーマ、初回のコメント付き投票に限りCafeポイント5CPが貯まりますので、ビクターパスポートクラブ会員の方は、必ずログインをしてから参加してください。閲覧は自由です。
  • ■不適切と思われるコメントは、事務局にて削除させていただきます。
ウッドコーンオーディオシステムスペシャルサイト(別ウィンドウで開きます)
楽器のように暖かく心に響く、ウッドコーンスピーカー。
VICTOR DIRECT(別ウィンドウで開きます)
ビクター商品のオフィシャルネット通販サイトです。特別限定品も販売しております。

Web Analytics Made Easy - Statcounter