今回紹介するのは、ヴォーカルのヘイリー・ロレンのベスト・アルバム。彼女は2006年にデビュー・アルバムを発表。2010年に日本デビュー作となった『青い影』をリリースし、クリスマス・アルバムを入れると日本ではもう6枚のアルバムをリリースしています。当ジャズカフェでは、新作アルバムは毎回紹介しているし、メッセージ映像の紹介もありましたので、ご常連様にはすっかりおなじみのことと思います。また彼女はこれまで4回の来日公演を行ない、それも毎年恒例化しつつあるほどの人気です。実際の彼女の歌声を聴いた人も多いことでしょう。その一方、まだ聴いたことがない人なら、ぜひぜひ彼女の歌声を聴いていただきたい。今回の『ベスト・コレクション』は、そんなあなたのためのアルバムなのです。聴いてみたいと思っても、6枚もあれば、どこから聴いていいのかわからないですよね。
彼女のこれまでの選曲の特徴は、ポップスのジャズ・アレンジ・カヴァーと、厳選されたジャズ・スタンダードの名曲の2本立てといえるのだけれど、ここにはその両方が実にいいバランスで選ばれている。さらに彼女のオリジナルも含め、それらが全部で16曲。スティーヴィー・ワンダーの「輝く太陽」、プロコル・ハルムの「青い影」、サザン・オールスターズの「いとしのエリー」、スタンダードは「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」、「ムーン・リヴァー」など、いい演奏をこんなに入れちゃっていいの?というくらい惜しげなくたっぷり詰め込んでくれています。というわけで、これから彼女を聴く方は迷わずこのアルバムをどうぞ。
でも彼女のアルバムは全部持ってるよ、という人のために新曲も1曲あります。本年5月、宝塚歌劇団花組のトップスター<蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)>さんのサヨナラ公演で歌われた「グッドバイ・モーニング」の英語カヴァー・ヴァージョンがボーナス・トラックとして収録されています。これまで応援してきたファンなら、これも聴き逃せないですよね。