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VICTOR JAZZ CAFE

2010年09月

ヘイリー・ロレン『アフター・ダーク』

2010.10.20 VICJ-61641

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Artist Review アーティストレビュー

2010年5月にリリースした『青い影』が大ヒット中のヘイリー・ロレン。このコーナーでも紹介したばかりだから、どんな人かはみなさんもうご存知ですね。163カ国・42,000タイトルのインディペンデント・アルバムの中から<ベスト・ヴォーカル・ジャズ・アルバム>に選ばれただけのことはある。日本でもベストセラーとなり、そのヒットを受けて早くも新作が登場した。

ヴォーカリストにとって、「何を歌うか」はとても大きな問題だ。もちろんどんなミュージシャンでもそうなのだが、ヴォーカリストは歌詞のイメージを無視することができない以上、選曲にはより気を配ることになる。有名ジャズ・スタンダードばかり選ぶと、それはそれで「安全」かもしれないが、聴く方としては、聴く前からイメージが決まってしまうこともある。ロレンはジャズを歌うが、前作のタイトル曲『青い影』はプロコルハルムの有名曲ということからもわかるように、とても幅広いジャンルの曲を集めて、そしてジャズにして歌ってきた。今回の『アフター・ダーク』は、その多彩な選曲が、ますます広がりを見せているところに注目だ。

今作も前作同様17曲収録。多くてそして幅広い。1曲ごとのオリジナル・ヴァージョンは下記のとおりだけど、大雑把に見ると「ジャンルの垣根のない超有名曲と(無名の)自分の曲」という構図。ジャズ・スタンダード、ボサ・ノヴァ、ポップス、ロック、フォークなどなどジャンルも時代もあえて遠く離れたものばかりを選んでいるかのようだ。そしてそれらをしっかりとしたアレンジと歌声で、ロレンの音楽として束ねているところがすばらしい。そこに組み込まれたロレンの曲も、これも(聴いたことないけど)きっと有名曲なんだろうな、と思ってしまうような曲ばかりだ。

1.アフター・ダーク
ギタリストのリック・カーンズとヴォーカリストのジャニス・カーンズの作品。ロレンは前作『青い影』でも「アイ・ドント・ミス・イット・ザット・マッチ」で彼らと共作していた間柄。

2.3月の水
オリジナルはアントニオ・カルロス・ジョビンの傑作ボサ・ノヴァ。エリス・レジーナとジョビンのデュエットはよく知られているところ。

3.グレイ・トゥ・グラウンド
ロレンのオリジナル。このアルバムには彼女自身のオリジナルは2曲収録されている。16歳の頃からビルボード・インターナショナル・ジョンレノン・ソング・ライティングなど様々な作曲賞を受賞しているだけあって、有名曲にはさまれていても流れを妨げることはない。

4.バラ色の人生
どんなジャンルの音楽を聴く人も知っている、シャンソンの有名曲。1946年のエディット・ピアフの代表曲ですね。カヴァー・ヴァージョンはジャンルを問わず書き切れないほど多数、でしょう。今では「ラ・ヴィ・アン・ローズ」の方が通りがいいかも。

5.サースティ
ロレンのオリジナル。これだけ自作作品(しかもいい曲)があれば、もう「曲も書けるヴォーカリスト」と呼んでもいいよね。

6.バイ・バイ・ブラックバード
ジャズ・スタンダードとしてジャズ・ファンにはおなじみの名曲。ここではロレンはスキャットも聴かせている。

7.オード・トゥ・ビリー・ジョー
女性カントリー・シンガーの代表的な存在として有名なボビー・ジェントリーの60年代のヒット。

8.タンゴ・ララバイ
作者のラリー・ウェイン・クラークはカナダで活動する作曲家/プロデューサー。前作でロレンは彼と3曲を共作している。

9.ビヨンド・ザ・シー
ボビー・ダーリンの60年のポップス・ヒット曲。

10.イン・ア・センチメンタル・ムード
ジャズ・ファンのみなさんなら説明不要、デューク・エリントン作曲の大スタンダード。

11.輝く太陽
オリジナルはスティーヴィー・ワンダー『心の詩』に収録(72年)。

12.ギヴ・ミー・ワン・リーズン
トレイシー・チャップマンの95年のヒット曲。

13.イッツ・ユー
フュージョン/スムース・ジャズで人気の女性ギタリスト、ジョイス・クーリングの楽曲。オリジナルは88年リリース、クーリングのデビュー・アルバム『キャメオ』に収録されている。知る人ぞ知る隠れ名曲だと思うんだけど、どうしてこの曲をとり上げたのかぜひ聞いてみたいところ。

14.タイム・トゥ・セイ・グッドバイ
サラ・ブライトマンとアンドレア・ボチェッリが歌って96年に世界的に大ヒット、クラシカル・クロスオーヴァー・ブームの先駆けとなった曲。ドナ・サマーなど多くのヴォーカリストがとり上げている。

15.ケアリー
オリジナルはジョニ・ミッチェル。71年のアルバム『ブルー』に収録されている名曲。ここではアコースティック・ギターのコード・ストロークの伴奏ということもあって、フォーキーな味わいだ。

16.アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリー

17.マイ・フーリッシュ・ハート
この2曲は日本盤ボーナス・トラック。有名すぎるほど有名なスタンダード。これらはもともとはジャズ曲じゃないけど、今ではジャズの人しかとり上げないぐらい「ジャズ・スタンダード度」が高い曲。これが入っていると、「ああ、ジャズの人なのね」と安心できる。そのために入れたんじゃないかと思うくらい、他の曲はジャズでは歌われていないものが多いなあと、これを聴いて改めて思います。特に日本のジャズ・ファンはそういう傾向が強いんじゃないかな。

ちなみに、CDは2100円だから1曲あたり123.5円。しかも歌詞カードもついている…なんてもちろん音楽の価値は値段じゃないけど、ちょっとお得な気分もするね。10月のギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティヴァルの来日も楽しみだ。

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