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2009年01月

フィリップ・セス 『アット・ワールズ・エッジ』 2009年1月

2009.1.21 VICJ-61587

作品詳細はこちら(別ウィンドウで開きます)
Artist Review アーティストレビュー

フィリップ・セスはその名からもうかがい知れるように、フランスはパリの出身。1957年生まれで、70年にアメリカに渡って音楽学校に通い、卒業後はすぐにナラダ・マイケル・ウォルデンのグループに入ったり、アル・ディメオラのアルバムに参加するなど、若くしてフュージョン・シーンの真ん中で活動を始めた。その後の活躍ぶりはめざましく、例えばマーカス・ミラーやデヴィッド・サンボーン、アル・ジャロウのアルバムなど、セスの名前はジャズ/フュージョン・ファンならいろんなところで目にしてきたはずだ。いや、今ではポップス・ファンの方がよくご存知かもしれない。ローリング・ストーンズ、チャカ・カーン、デヴィッド・ボウイ、ティナ・ターナー、ロッド・スチュアートなど大御所のアルバムにも多数参加してきているのだ。

また日本のミュージシャンとの活動も多く、T-スクェアや角松敏生といったフュージョン系から宇多田ヒカル、杏里、珍しいところではYMOのリミックス・アルバムにまでその名前はクレジットされている。もしかするとSMAPのアルバムで知っている人も多いかも(多いはずないか)。これほど多岐にわたる分野(広過ぎる?)で、キーボード・プレイはもちろん作編曲、プロデュースまでこなすフィリップ・セスは、まさにスーパーマンだ。

というわけでフィリップ・セスにはどちらかというと「ソロ・アーティスト」よりも「職人」的なイメージが強かった。何でもすばらしいクオリティでこなす人だけに、これまでのソロ・アルバムはどれも充実の内容なんだけど、今回は約5年ぶりの久々のアルバムということもあってか、特に聴き応え充分の仕上がりだ(前作のトリオ・アルバムは企画ものの要素も強かったし)。これで一気にソロ・アーティストとしての印象が強くなるのではないだろうか。

今回のリズム・セクションの中心は2組。ひとつはドラムのスクーター・ワーナーとアコースティック・ベースのベテラン、デヴィッド・フィンク。前作のトリオ・アルバムのメンバーだけにコンビネーションは抜群。そしてもう1組はドラムがサイモン・フィリップス、エレクトリック・ベースがピノ・パラディーノというスーパー「職人」セッションだ(2月にこのトリオで来日予定)。この顔ぶれを見るだけでどんなスタイルもありということは予想がつくが、案の定、曲はフュージョン系からブルージー、ワールドものまであり、またスムース・ジャズお約束のヴォーカルものも入った多彩なラインナップとなっている。それぞれタイプは違うサウンドだけれども、ソロは全編アコースティック・ピアノ。これがアルバムの統一感を明確にし、はっきりとした個性を打ち出している。音づくりに相当にこだわったであろうその美しい音色には惚れ惚れするね。

マスターのお勧めは、冒頭「フロム・ノーホエア・トゥ・ナウ・ヒア」のイントロ・パートと本編へ連続する2トラック。アコースティック・ベースのしなやかなグルーヴ、アコピの美しい音色とタッチ、そしてそれを華麗に彩るストリングス。そのスケールの大きさにはうっとりとしてしまう。まあ、宣伝文句的に言うと、美しいメロディと心地よい躍動感、そしてドラマチックなスケールの大きさを併せ持つ音楽となるかな。昔のCTIサウンドをちらりと感じさせなくもない、快適さと深さの両方が見事にブレンドされている。まあ、聴いてください。

きっと「スムース・ジャズ」の棚に入るんだろうけど、それにしては味が濃い。いろんなダシがきいている。「ジャズ」よりスケールが大きいし、「フュージョン」よりも懐は深い。これは何か別の呼び名が必要だな。業界の方、よろしくお願いします。

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