

店の扉を入りすぐ右側の壁には一面にLPや古本が並ぶ。マスターがこつこつ集めた古本はジャズ専門書以外にコミックなども。


「MILESTONE」マスター 織戸 優


1976年(昭和51年)、時代背景として当時のヒット曲は「およげ!たいやきくん」や「なごり雪」など。若干29歳で当時としては珍しい“会話OK”のジャズ喫茶を学生の町、高田馬場でOPENしたのがマスターの織戸さん。当時のお客さんは、近隣の早稲田や学習院などの学生が8割で、女性厳禁、男子学生がジャズをBGMに珈琲を飲みながら麻雀や談話を楽しみ何時間も過ごす、というたまり場になっていたとか。ジャズ喫茶全盛期は終わっていたけれど、口コミで人が集まる場所となっていった。
今年で36年目。お正月の3日間を除き、ほぼ毎日店に立ち続けてきたマスターがみてきた36年間とは。「今の時代にジャズと珈琲だけの喫茶店というのは難しい。時代の流れとともにお客さんのニーズが広がった」と織戸さん。現在は、“ジャズを楽しんで”というマスターの気持ちは変わらないものの、おいしい珈琲を目的に来る人、古本を読みに立ち寄る人など、“ジャズ”の垣根を越えて「自家焙煎珈琲店」「古本屋」「マンガ喫茶」の顔も持ち、客層は幅広い。駅前という便利な立地もあり、女性のお客さんも多いのだそう。
店内は、珈琲と文庫本を置くのに必要十分な大きさのテーブルが並び、壁一面にズラリと並ぶ古本は、店内で読むもよし、気に入れば購入もできる。インターネット接続もできるのでノートパソコンを持ち込む人もいる。過ごし方はさまざまだ。取材当日(平日)は、サラリーマン風のお客さんが1人でふらっと訪れ、1〜2時間ゆっくりJazzと珈琲と小説を楽しんでいる。しばらくすると打合せがてら訪れたような中年男性2名が珈琲を囲んで会話をしている。店内は毎朝マスターがセレクトしたJazzのナンバーが流れ、ドリップで淹れる珈琲のいい香りが立ちこめている。お客さんはJazzと珈琲のある空間で自由に時間を楽しむ。これも21世紀のジャズ喫茶のスタイルであろう。

OPEN当初に奮発して手に入れたスピーカー。隣にはMiles Davisのオリジナル盤が飾られている。
お店で焙煎している珈琲。これを求めて訪れるお客さんが多い。



- 【 住 所 】
- 東京都新宿区高田馬場1-23-9 イガリビル1F
- 【アクセス】
- JR/地下鉄東西線 高田馬場駅 徒歩3分
- 【電話番号】
- 03-3200-4513
- 【営業時間】
- コーヒータイム:12:00(土日祝:13:00)~19:00
バータイム:19:00〜深夜0:00 - 【定 休 日】
- 大晦日~1月2日の3日間
- 【 H P 】
- http://jazz-milestone.net/
