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日本語でジャズのスタンダード曲を歌っている演奏はありますか? スタンダードはほとんどがアメリカの歌なので、もとは英語の歌詞ですが、日本語だったら意味がよくわかっていいなと思うんですけど…。

38saiyo1さん

いらっしゃいませ。

いらっしゃいませ。スタンダードと呼ばれる、いわゆる「ジャズ定番曲」の多くは、1930年代から50 年代のアメリカのミュージカルやポップス曲です。これらは、もともとはジャズとして作られたものではなく、当時のヒットソングを多くの人が「カヴァー」しているうちに広く知れ渡りスタンダードとなっていったもので、おっしゃるとおり歌詞はほとんどが英語です。また、原語歌詞ではなく英語歌詞がつけられたことによってヒットしたという曲もたくさんあります。例えば「枯葉」はもともとフランス語の歌詞ですが、英語の歌詞もつけられておりジャズでは英語で歌うのが当たり前になっていますし、ボサ・ノヴァも多くはポルトガル語がオリジナルですが、これもまた英語の歌詞で広く歌われています。つまり「英語」でないと多くの人が歌えない、聴いて理解できないという事情があるのですね。でも歌えるなら、また聴き手が理解できるのなら原語歌詞でもいいわけですし、日本人リスナーに聴かせるなら当然日本語の方が(フィーリングはともかく)歌詞を伝えるという点においてメリットはあるはずですよね。

で、回答です。日本語歌詞によるスタンダード歌唱も実はたくさんあります。時代が限られるのですが、1950年代前半から60年代半ばあたり、昭和でいうと30年代、当時はいわゆる洋楽であっても英語で歌うこと、聴くことは現在に比べればハードルが高かったのでしょう。美空ひばりや江利チエミなどポピュラー・シンガーでありジャズ・シンガーでもある彼女らは、多くのジャズ・スタンダードを日本語、または日本語まじりの英語で歌っていました。

例えば美空ひばりは「クライ・ミー・ア・リヴァー」や「ラヴ・レターズ」を日本語で、「A列車で行こう」を日本語と英語で歌った演奏が残されていますし、江利チエミの「ラヴァー・カムバック・トゥ・ミー」「ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー」は日本語です。いずれも歌詞は翻案ですが、「伝わる」点においては英語の比ではありません(ハーレムに向かう地下鉄「A列車」を「思い出のロマンス列車」としてしまうのは、やりすぎですけど…。)ちなみに彼女らには英語歌唱の演奏もたくさんあり、英語の発音、イントネーションはいずれもすばらしく、アメリカのシンガーにひけをとるものではありませんから、日本語歌唱は聴き手のことを考えてのことなのでしょう。

現在では英語の歌は英語で歌うのが当たり前になりましたが、今これらの演奏は逆に新鮮に聴こえます。これから日本語で歌う人が増えればジャズはもっと多くの人に聴いてもらえるかもしれませんね。

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1.美空ひばり『ジャズ&スタンダード』(日本コロムビア)

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2.江利チエミ『チエミ・プラス・ジャズ』(キングレコード)

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