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Dear Jazz master 教えてマスター

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昔のジャズ・アルバムのCDジャケットってなんでLPと同じなの? 変えてもよさそうなものだけど…。

jieさん

いらっしゃいませ。

たしかに昔のジャズ・アルバムのCDの多くは、当時のLPジャケットのデザインをそのまま縮小して使っています。これは「復刻」の意味合いからでしょう。中には文字が小さくなって読めないくらいのものもありますが、それに優先するほど、当時と同じものであることを最重要視しているのです。そもそもジャケットの絵柄は内容とともに、それを含めて「作品」であるという認識なんですね。アルバムにおいては音楽とジャケットは一体なのです。名盤であればあるほど、その一体感は強固なものがありますよね。ですからどんなにかっこ悪かったとしても、当時のオリジナルの絵柄を使っているのです。

ただ、それを逆手にとって、同じ内容ながらジャケットを変えてあえて印象を変えたものもあります。しかもタイトルまで変えて、まるで別物のようにしてしまったものまであります。これはCD化に伴うものではなくLP時代のものですが、いかにジャケットの印象が大きいかを考える例として1枚紹介します。

1959年にリリースされたセシル・テイラーの『ハード・ドライヴィング・ジャズ』というアルバムがありますが、これはのちに『ステレオ・ドライヴ』というタイトルになりました。これは、もともとモノラル盤であった『ハード・ドライヴィング・ジャズ』を、当時出始めたばかりのステレオ盤としてリリースしたものです。ジャケットは、タイトル以外はほとんど変わらないので、まあこれはいいとしても、このアルバムは63年に『コルトレーン・タイム』というタイトルでリリースし直されたのです。

『コルトレーン・タイム』は、サイドマンで参加しているジョン・コルトレーンが初リリース時より人気がでてきたため、リーダーのセシル・テイラーの名前を伏せて、あたかもコルトレーンのリーダー作のように見せたものです。『ステレオ・ドライヴ』では、コルトレーンは契約の関係なのか「ブルー・トレイン」という変名でクレジットされていたにもかかわらず、なのです。これは、より「売る」ための考えですね。テイラーにとってはいい迷惑だったと思いますが、想像するに売り上げは格段に増えたのではないでしょうか。どうでしょう、同じ内容にも関わらず印象はずいぶん違うものになりますよね。つまり、私たちは音楽そのものだけでなく、ジャケットのデザインや曲やアルバムのタイトルまでも含めて聴いているんですね。ちなみに現在どちらもそれぞれのタイトルでCD化されています。ご購入の際はお気をつけて。

このようにジャケットとタイトルは音楽のイメージまでも変えてしまうほど重要なものなのです。ですからCDになったからといってタイトルはもちろん、もともとのジャケット・デザインは安易に変えてしまうわけにはいかないのです。

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写真:セシル・テイラー『Hard Driving Jazz』(United Artists)

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写真:セシル・テイラー『Stereo Drive』(United Artists)

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写真:ジョン・コルトレーン『Coltrane Time』(United Artists)

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