Q115 ID yakinikudaisukiさんの質問 2014年4月1日
サックスっていくつか種類があるようだけど、どんなのがあるの?
yakinikudaisukiさん
いらっしゃいませ。
ジャズで使われるサックスは、音域の高い方からソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4種類が一般的です。これらはソロにもアンサンブルにも使われます。この他にも、高い方はソプラニーノ、低い方はバス、コントラバスなどいくつかの特殊なものがありますが、ジャズのライヴでこれらの楽器を目にすることはかなり珍しいでしょう。音域の低いものは管体の長さが長くなるので重量も増え、バス・サックスとなるとテナーのようにストラップで首からぶら下げるのは不可能で、置いて演奏するための脚がついています。前衛派の人たちが特殊な効果を狙ってコントラバス・サックスなどをソロに使うことはありますが、これらは音域的にも機能的にもおもにアンサンブル用といえるものです。
そもそもサックス(サキソフォン)という楽器は、1840年代にベルギーのアドルフ・サックスという人が「発明」した楽器です。クラリネットと同じようにリードの振動で音を出しますが、管体は真鍮などの金属製です。つまり木管楽器と金管楽器を一緒にするという発想で生まれたんですね(分類上は発音構造から木管楽器になります)。
ジャズを象徴する楽器ともいえるサックスですが、この「新しい楽器」は、初期のジャズであるディキーランド・ジャズの時代にはまだ使われていませんでした。その頃はクラリネットが主流だったのです。しかしその後、サックスの大きく迫力のある音はクラリネットにとってかわり、ジャズの楽器として広まります。そして1930年代にはビッグバンド・ジャズの流行もあり、完全にジャズの中心楽器として定着しました。
現在では先にあげた4種が主流ですが、かつてはアルトとテナーの中間的な「Cメロディ・サックス」というものがありましたし、直管のアルト・サックスや曲管のソプラノ・サックスも作られているのはまだまだ開発の余地のある「新しい楽器」ということなのでしょう。
サックスのほかにもジャズでは、ヴァイブラフォン、エレクトリック・ギター、電気オルガンなど「新しい楽器」がどんどん取り入れられ、その世界を広げてきました。新しい楽器の登場が、ジャズの歴史を作ってきたという一面もあるんですね。