Q114 ID teketonさんの質問 2014年3月3日
トランペットに似ている楽器で、コルネットとフリューゲルホーンがありますけど、どう違うの?トランペットに似ている楽器で、コルネットとフリューゲルホーンがありますけど、どう違うの?
teketonさん
いらっしゃいませ。
たしかにトランペットとコルネットとフリューゲルホーンは似ています。現在のジャズ演奏では、この3種の中ではトランペットが圧倒的に多く使われますが、これらを持ち替えて演奏することはめずらしくなく、聴く方もあまり区別を意識しないことが多いですよね。でも「似ている」ということは、「違う」ということです。
まず、形からわかるように発音のしくみは同じです。管体の長さも同じですので、基本的な音域も同じです。ピストン機構など基本的な構造も同じです。そして、違うところは管の形です。管全体の丸みを見ると、トランペットは横から見ると細長い楕円形ですが、コルネットは少し高さが高くなってその分、長さ(吹く人から見れば奥行き)が短くなります。フリューゲルホーンはもっと高さが高くなって、長さはさらに短くなります。縦に伸ばして丸っこくなっていくわけですね。これにより、空気の通り方が異なるので音色が変わります。
さらに管そのものの形状も違って、トランペットはマウスピースからずっと一定の太さで、最後の出口直前で急に開いていますが、コルネットはトランペットより(吹く人からみて)手前から広がり始めます。フリューゲルホーンはもっと手前からゆるやかに広がり始めます。極端にいうと長い円錐を丸めたという感じですね。さらに細かいことをいえばマウスピースの形状もそれぞれ違います。
このような違いにより、出る音はトランペットが鋭く、フリューゲルホーンは柔らかく、コルネットはその中間という感じになります。ジャズ黎明期はコルネットが主流でしたが、現在ではトランペットがそれに取って代わりました。ジャズの進歩は、立ち上がりの鋭い音を求めたということなのかもしれません。
形も音も似ているので、CDのクレジットでもきちんと区別して書いてない場合がありますが、じっくり聴くと音はそれぞれ違います。聴き分けられるようになると、もっとジャズが楽しくなりますよ。