Q21. ID:Mobius1さんの質問 2007年9月28日
よくCDの帯に「24bitリマスタリング」「最新リマスター」とか書かれていますけど、あれはどういう意味なんでしょうか。
Mobius1さん
いらっしゃいませ。
リマスタリング(リマスター)というのは「マスタリング」をやり直しているという意味なんだけど、まずマスタリングとは何かから知らないとね。マスタリングは一言でいうと、商品としてのCDの最終形のマスターを作ること。ほとんどのCDは、まず録音されたマルチトラックのテープやデータから2chステレオ(右と左ね)の音源を作る。これはミックスダウンとかトラックダウンと呼ばれる作業で、各々の曲はこれで完成だけど、CDにするにはそれでは終らない。その音源をCDの曲順に並べ、曲ごとのレベルと音質を調整して、曲間を決め、ひとつながりになったマスターテープ(最近はテープはほとんどないけど)を作ることがマスタリング。
もともとそういう「作業」だったマスタリングなんだけど、現在では別の意味を持つ言葉になった。というのは、このマスタリングでの音質調整がCDの音質に決定的な影響を与えるという認識になって、ここで積極的に音をいじるようになったのね。ミックスのやり直しではないから、手を加えられるのは音質とレベルといった部分だけど、それだけでも音楽は大きく違った印象になる。
さて、リマスタリング。もうおわかりだと思うけど、これはマスタリングをやり直してより「いい音」にするということ。24bitというのはCD(16bit)より高解像度でマスタリングをすること(最終的にはCDになるので、16bitに変換されますが)。いろんな技術を駆使してリマスタリングすることによって、それまで聴こえなかった音が聴こえるようになったということは珍しくないです。それぐらい音は変わります。
技術の進歩はすごくて、音質調整だけでなく、例えば昔はノイズに埋もれていたチャーリー・パーカーのアルト・サックスも、今ではノイズが除去されたすっきりした音で聴けますね。まあ、昔から聴き慣れたノイズがあった方がいいという人もいないわけじゃないけどね。それは私です。
ですから同じCDでも日本盤と海外盤ではマスタリング・エンジニアが違うものは音が違います。ミキシング・エンジニア同様、マスタリング・エンジニアの名前も大きく紹介される時代になったのです。
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