Schmidtさん、いらっしゃいませ。
「ジョイ・スプリング」はいいなあ。クリフォード・ブラウン作曲の名曲だね。タイトルどおりウキウキするようなメロディ、ブラウンのアドリブも最高だよね。気に入った曲は、もっと楽しみたい。だから他にどんな人が演奏しているのか知りたいですよね。そしてそれを探して聴き比べることは、ジャズならではの楽しみ方のひとつと言えるものです。
その方法ですが、まずは「ジャズ・スタンダード・ガイド」的な書籍をあたるのが手っ取り早いでしょう。たくさん出版されていますしね。でも曲数は多くて解説は詳細でも、収録CDの紹介は意外と少なかったりします。多いものでも1曲10枚ぐらいかな。 となれば、とりあえずインターネット検索サイトのgoogle(http://www.google.co.jp)で「ジョイ・スプリング」と入れてみましょうか。
はい、どっさり出てきましたね。14万件! すごい数ですが内容はさまざま。もちろんクリフォード・ブラウンがらみの情報はあって、収録アルバムの情報もちらほら見えますが、「日産プレーリージョイ スプリング適合パーツ」があったり(笑)、ちょっと追いかけきれません。検索サイトはあくまでサイトの検索であって、データベースではありませんからね。では、データベースを探しましょう。「ジャズ スタンダード データベース」って入れてみると...、ガイドブックの紹介はたくさん出てきますが、使えそうなものはなかなか見つからない。
というわけで、ネット検索は万能ではありません。結局、使えるデータベースのサイトがどこにあるかを知っているかどうかなんですね。では、マスターの知識をおすそ分けです。
まず調べるなら「allmusic」です(http://www.allmusic.com/)。その名のとおりジャズだけじゃないですが、とにかく膨大な音楽データベースです(英語)。ここの検索窓に曲名を入れれば、どどーんと出てきます。「Joy Spring」と入れると...出ました135件。クリフォード・ブラウンはもちろん、ゲイリー・バートン、ラリー・コリエル、スタン・ゲッツなどなど、アンソニー・ブラクストンまでやっていたのか! また、曲リストからアーティストのバイオグラフィやディスコグラフィにもリンクしているから、とても勉強になります。こんなのが無料で使えるのですから、驚きですね。
続いてのお勧めはCD通販の「HMV」(http://www.hmv.co.jp)や「Amazon」(http://www.amazon.co.jp)のサイト。もちろんデータベースではなく買い物サイトですが、商品検索窓で「曲名検索」ができますよ。英語と日本語それぞれでチェックしてみてください。収録CDが表示されます。中には試聴ができるものもありますね。
もうひとつは音楽データ・ダウンロード販売の「iTunes Store」(サイトではなく、専用ソフトiTunesでインターネット接続。詳細はhttp://www.apple.com/jp/itunes/)。曲名で検索でき、全曲30秒の試聴ができます。これはなかなかおもしろい発見があります。というのはCDでは廃盤になっている音源もあったりするし、そもそもCDを作っていないミュージシャンの演奏に遭遇できる可能性もありますからね。
ちなみに「ジョイ・スプリング」で検索した結果は(いずれも日本サイトで、日本語と英語検索の合計)、HMV:112枚、Amazon:302枚、iTunes Store:227曲。輸入盤と国内盤の両方の取扱いなのでダブリ(リマスター流行りで同じ音源の品番違いが多い)や同名異曲もあったりするのですが、けっこうあるんですね。えっ、少ないんじゃない?と思ったあなたはかなりのジャズ・ファン。そうです、実は「ジョイ・スプリング」はジャズ・スタンダードの中では、収録CDが少ない方なんです。スタンダードにしては比較的新しく、演奏も難しい曲だからかな。だからここまで拾えればかなり網羅しているってこと。例えば、もっと昔のスタンダード「オール・ザ・シングス・ユー・アー」だと、HMVでは1152枚、AMGでは1374件もありますからね。
こうなると、聴いてみたいものが多過ぎるという悩みになっちゃうね。絞り切れなかったらまたマスターに相談してね。