マイルス・デイヴィス『ビッチェズ・ブリュー』録音(1969年)
「フュージョンの先駆け」と評されることの多いアルバムだが、後のいわゆるフュージョンとはまるで違う。参加メンバーの多くは後のフュージョン・シーンをリードしたが、ここでマイルスが目指した方向は違うものだ。ジャズから離れ、ファンクやロックを指向しているが、ジャンル分けは意味がないぐらいさまざままな音楽が混ざり合っている。一言でいうと「マイルス・デイヴィスの壮大な音楽ドラマ」である。
写真:『Bitche's Brew/Miles Davis』(Sony)