「ラヴ・フォー・セール」その1
『1958 Miles/マイルス・デイヴィス』
指パッチンのカウントからカッコいい
この曲、マイルス(トランペット)は他のアルバムでもやっているけど、このヴァージョンは彼の「指パッチン」のカウントで始まるのがカッコいいんだな。ホントはほとんどの演奏でカウントは入れてるはずなんだけど、レコードでは全部カットされてるわけです。これ、実に残念だと思います。この指パッチンもマイルスの「演奏」ですからね。ライヴに行く人ならわかると思うけど、人や曲によってはずいぶん長く指パッチンなり、ドラムのスティック打ったりしてテンポを決めてからカウントに入ることもあるわけで、パフォーマンスとしては重要だと思います。カッコも重視のマイルスのことだから、このカウントの入れ方だって熟考の末のはず(?)。全レコードのカウント復活収録をお願いしたいですね。と、いきなり話は逸れまくりですが、これは翌年録音される傑作『カインド・オブ・ブルー』の6人が、初めて一同に会した1958年のスタジオ・セッション。スタンダードでお手並み拝見というところだけど、当時の最強メンバーだけあって言うことなし。粋な指パッチンが、始まる前から演奏のカッコよさをキメた。
写真1:『1958 Miles/マイルス・デイヴィス』(Sony)