「枯葉」 - Autumn Leaves - その1
『Somethin' Else/キャノンボール・アダレイ』
これぞモダン・ジャズの代名詞的名演・名盤
《ジャズといえば、まずマイルスの「枯葉」。これ常識。つべこべ言わず、まず聴け》と、先輩に言われた人も多いでしょう。まったくその通りなんですが、やっぱり少し説明は必要ですね。翻訳(?)すると、《このマイルス・デイヴィス(トランペット)の「枯葉」の演奏はすばらしい。ダークでクールでこれぞ「モダン・ジャズ」ってイメージ。もともとはフランスの映画音楽なんだけど、この演奏のおかげで「枯葉」はジャズの代表的なスタンダードになった。アルバムのリーダーはキャノンボール・アダレイ(アルト・サックス)だけど、ミュートでのかっこいいテーマなどおいしいところは全部マイルスで、まるでリーダーのよう。それもそのはず、アダレイ名義は契約上の理由で、本当はマイルスのアルバムだから。マイルスはこの後もたくさん「枯葉」を演奏しているけど、マイルスにかかわらず、ジャズで「枯葉」といったらまずこれだね。これを知らないと、ジャズ・ファンとしては話にならないよ、後輩。そうそう、この印象的なイントロは、実はマイルスが敬愛するアーマッド・ジャマル(ピアノ)がやっていたパターンを下敷きにしたものなんだよ、知ってるか? それと、「枯葉」ばかりが有名だけど、たまには別の収録曲も聴けよな。いい演奏だから》となります。先輩は厳しいね。もう演奏者はみんな亡くなってしまった1958年の録音。
写真1:『Somethin' Else/キャノンボール・アダレイ』(Blue Note)